母さん、あのトクホの油、どこに行ってしまったんでしょうね

昨年、「ジアシルグリセロール（DAG）についての想定問答」と題する記事を書きました。
その後、１年近くを経過した今も安全性に関するデータ取りが黙々と続けられています。

当然、製品は販売停止のままです。
http://www.kao.co.jp/econa/
このページがお詫びのページから商品案内のページに変わる日は何時来るのか。

「トクホ」という妙なレッテルと共に、改良を重ねた人工物と、長年使われてきた天然物の違いをものの見事に映し出した事例だと思います。問題は「トクホ」制度そのものです。製品に関しては、勿論、何かがダメだとかそんなことを言うつもりは一切ありません。
疑問に対して明確に誰にもわかるように答えられれば、何の問題も無いはずなのです。

誰にも不公平な評価差が出ないようなベンチマークに基づいて「官」がラベルを貼ることはダメとは言いません。
でも、一つ間違うと、「民」がそれを当て込んで頑張っちゃう。

今回の件は、「官」が一度貼った「科学的根拠に基づき健康増進に資する食品」のラベルを張る行為と、科学的根拠の評価がなぜか同時平行進行するということ、結論を待たなくとも商品に謳えるということの副作用を見せてくれています。

メーカーは本当に苦悩しているでしょう。